革についての基礎知識

■皮と革の違い
皮は動物の鞣(なめ)されていない状態の物を指し、革は鞣された(腐食しないように加工)物を革と呼びます。

■鞣し
鞣しは動物の皮を利用する上で欠かせない物で、腐食や硬化を防ぐ為に行わなれる作業です。
多くの鞣し方がありますが現在は大きく分けて3つの鞣し方を主流に革が作られています。

・植物タンニン鞣し
植物に渋成分のタンニンを使って鞣す方法で、革を作るのに1ヶ月~3ヶ月かかる非常に手間と時間がかかる鞣し方です。
特徴としては堅牢でクローム鞣し革に比べて伸びと弾性が小さく、吸水性・可塑性(かそせい)に優れているので、立体成型加工やカービング・スタンピングなどができ、コバ(切り口)や床面(革の裏面)をツルツルな肌触りに磨き上げる事が出来るのも植物タンニン鞣しの特徴。
自然にも優しく、温かみのある風合いのこの革は皆さんがイメージする味の出る革です。

・クロム鞣し
塩基性硫酸クロムを使って鞣す方法で、タンニン鞣しの短所を解決する鞣し方法として主流となっている鞣し方です。
クロム鞣しで革を作るのには約2~4週間とタンニン鞣しに比べ短く、弾性が高く最初から柔軟な革です。
タンニン鞣しの革に比べて耐熱性・耐水性・耐光性(色の退色)が高く、カビも生えづらいです。

・混合鞣し(コンビ鞣し)
タンニン鞣しとクロム 鞣しを組み合わせた物で、簡単に言うと植物タンニン鞣しとクロム鞣しのいいとこ取りをした感じになりますが実際には配合などによって一概にいいとこ取りをしたとは言えません。

 

■生きていた証
ヌメ革系の革はもっともナチュラルな物なので様々な『生きていた証』が見られます。

トラ・シワ
革のシワ・トラ画像トラとは革の表面に大きく筋のように入っているシワ、シワ痕のような物で、首の周りや手足の付け根、お腹など皮膚が重なっていた部分に見られます。 
シワは人間にもシワがあるように動物達にも小さいシワがあります。
経年変化した際にこのトラが良い味をだしてくれる事を知っていて好んでこのトラが使われている製品を買う通な方もいます。
店主も自分の革小物に使っていたりします。

 

 

 

 

 

 

 

 

傷・シミ・虫さされ

革の傷画像革の虫さされ画像

革に使用されている動物達はその多くがあちこちに傷があります。切り傷や擦り傷、虫に刺されて残った斑点状の傷。 ヌメ革に使われる牛には人間と同様にシミがあります。パッと見はわかりませんがヌメ革にレザーオイルを塗った際にわかります。

 

血スジ

革の血筋画像血スジとは葉脈のように枝分かれした薄いスジ模様のことで、血管が皮膚のすぐ下を通っていた痕です。ナチュラルな風合いのヌメ革にはたびたびみられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらの多くの生きていた証を隠し、工業製品として綺麗な物にする為に顔料染め(わかりやすく言うならば塗料のような感じです)を用いて作られた革が日本には多くあります。確かに表面的な見た目は綺麗なのですが革本来の風合いや質感は損なわれてしまいます。

革の歴史が古いヨーロッパではこれらの『生きていた証』が合成皮革には再現出来ない本革ならではのモノとして扱われて、革の良さ・風合いを生かした物づくりがされています。

日本で作られている革でも革の良さを生かした染料染めの革はありますが、革は天然素材故に革の良さを損なわい染料染めは色の発色・色合いなどが難しいモノもあったり、ロットブレと言われる製品ムラが生じ易くもあります。

革は天然素材だからこそ合成皮革のように均一でムラのない物はなく、様々な『生きていた証』が刻まれていますし、同じ革でも動物が1頭1頭違うよに革も1枚1枚違います。
製作にはこれら本革の証を上手く取り入れ動物達から頂いた命を無駄にすることなく使用しながらも良い物をお届けできるよう製作に努めています。

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